誰もが頭を悩ませる自己申告書。
5科目の勉強がしたいのに、忙しい時期に自己申告書にあまり時間をかけたくありません。
この3ステップでアウトプットしていくと、割と楽に自己申告書が書けるようになります。
自己申告書は何のために提出するのか
まず、自己申告書が何に使われるのかを必ず知っておかねばなりません。
大阪府のサイトには、こう書かれていますよ↓
合格者の決定に当たっては、次のように行う。
ア. 総合点の高い者から、募集人員の110%に当たる者までを(Ⅰ)群とする。
イ .(Ⅰ)群において、総合点の高い者から募集人員の90%に当たる者までを合格とし、残りの者を(Ⅱ) 群(ボーダーゾーン)とする。
ウ .ボーダーゾーンの中から、自己申告書及び調査書中の活動/行動の記録を資料として、その高等学校のアドミッションポリシー(求める生徒像)に極めて合致する者を、優先的に合格とする。
エ .ウによる合格者が募集人員を満たさない場合は、総合点の高い者から順に募集人員を満たすよう 合格者を決定する。
“ボーダーゾーン”というのは、総合点(当日の入試+内申点)が少し足りなかったときに振り分けられる”崖っぷちゾーン”です。
そして、『ボーダーゾーンに入っちゃったら、自己申告書や調査書を見て合否を決めるで』ということです。
もしあなたがボーダーゾーンに入ったとしても、自己申告書がきちんと書けていれば、合格できるかもしれない!
これは気合を入れて書かないとあかんよね!
なお、”アドミッションポリシー”については、後で説明しますね。
自己申告書はどんなもの?
まだ見たことがない人は、とりあえず見てみよう。ダウンロードは↓からできます。
横書きの作文ですね。A4両面に、自筆で書きます。
普通に書いていけば、文字数が1300~1400字程度になるはず。
作文を書き慣れていないと「どうやって埋めよう…」と焦る気持ちがわいてきますね(-_-;)
テーマは全員共通です。
あなたは、中学校等の生活( あるいはこれまでの人生 )でどんな経験をし、何を学びましたか。また、それを高等学校でどのように生かしたいと思いますか 。できるだけ具体的に記述してください。
では、ここから書き方の解説をしていきます。
自己申告書の書き方

step1:志望校のアドミッションポリシーを確認すべし
高校が、『どんな生徒に入学してほしいか』、をまとめたものがアドミッションポリシーです。
具体例を2つ見てみましょう。※長文なので、ざっと流し読みでいいですよ
高倍率でおなじみの春日丘高校のアドミッションポリシー
本校は全日制普通科として「自主・自律・自由」「文武両道」を掲げて 100 年を超える歴史 を刻んできました。「文武両道」とは、学習だけでなく、部活動・学校行事などにも積極的に 取り組む姿勢を意味します。これから先もずっと、この言葉を意識した学校でありたいと考 えます。本校に入学される生徒には、「自主・自律・自由」「文武両道」の校風を守り、熱い思いを持ってさらに発展させていく推進力となることを期待します。
1) 勉学に対して厳しい姿勢で臨み、高い志を持ち、自らの進路を切り拓く意欲を持つ生徒
2) 「自主・自律・自由」の伝統を受け継ぎ、自由の意義を考え、自らを律することのでき る生徒
3) 部活動・学校行事などに参加するだけでなく、積極的にその活動の意義を理解し、活動 を推進していく力となれる生徒
4) 上記3点のどれかひとつに特化するのではなく、何ごとにも積極的に、かつ主体的に取 り組もうとする生徒
特殊な学科をもつ 咲くやこの花高校のアドミッションポリシー
本校には、総合学科、演劇科、食物文化科の3学科が設置されています。創立 12 年目を迎え、他では類を見ないほどの恵まれた教育環境のもと、密度の濃い教育活動を展開し、進路実績や部活動にお いても極めて高い成果をあげています。次に示す「求める生徒像」を理解し、高い目的意識を持って努 力し続ける生徒を望みます。
1) 自ら進んで新しいことに積極的に挑戦し、難関大学への進学や自ら希望する企業への就職など、高 い進路目標を自ら設定し努力できる生徒
2) 部活動や学校行事等に積極的に参加するとともに、学業との両立を強い意志を持ってやり遂げることができる生徒
3) 入学後のガイダンスを通じて、特色ある6つの系列(理数、ロボット工学、スポーツ科学、言語文 化、造形芸術、映像表現)の学習について明確な目的意識を持ち、自ら定めた将来の目標に向かって果敢に挑戦できる生徒(総合学科志望者)
4) しっかりとした時間の管理と体調管理ができ、すべての学習活動に粘り強く取り組んで幅広い教養を身につけるとともに、集団での創作活動に熱意を持って参加することを通じて、人間力の向上をめざす生徒(演劇科志望者)
5) 高校卒業時の調理師免許(国家資格)取得をめざすとともに、幅広い知識や教養を身につけ、『食分野のスペシャリスト』として、将来、社会で活躍することをめざす生徒(食物文化科志望者)
という感じ。
自己申告書の中で、「自分はなぜその高校を目指しているのか」、「高校に入学後何をしたいのか」、ということを、アドミッションポリシーに関連付けて書きます。
各校のアドミッションポリシーは↓からダウンロードできます。
step2:書くための下準備をすべし
ノートとペンを用意してください。次の①②③を箇条書きでいいので書き出してみましょう。
① 中学校生活(あるいはこれまでの人生)で印象に残っていることや意欲的に取り組んだこと
たくさんあれば良いというわけでもありません。書きやすそうな内容、自分の人柄が分かってもらえそうな内容を2つほど出せたらいいです。
・体育祭、文化祭、委員会、クラス運営、部活、学習、修学旅行 などの学校生活でもいいし
・ボランティア、習い事、趣味 などの学校外の活動でもいいし
・アクシデント、イベント、その他日常のこと
それと、次が大事。どのように頑張ったのかを、かなり具体的にしておくことがコツです。
② ①を通して思ったことや考えたこと
①で書き出したことを経て、何を学んだのか、何を身に着けたのか。
・苦手克服 ・継続力 ・コミュニケーション力 ・統率力 ・リーダーシップ ・チームワーク ・責任感 ・臨機応変 ・思いやり ・積極性 ・主体性 ・挑戦 ・強い意志 ・我慢強さ ・貢献 など
これもアドミッションポリシーに沿うようにしましょう。
③ その経験をした上で、どんな高校生活を送りたいか
学んだり身に着けたりしたことを、高校でどう生かすか。
ここで未来のことを語りましょう。
どんな活動をしたい? どんな努力をしたい? どんな貢献ができる? どんな人でありたい?
また、将来の夢などを語ってもいいですね。
step3:大きく3パートにまとめるべし
まだメモや下書きの段階です。次のようにまとめていきましょう。
[1]中学校生活(あるいはそれまでの人生)で学んだことを書く
↓
[2]学んだ経緯(エピソード)を書く
↓
[3]志望理由と高校生活の抱負を書く
[1]は数行で簡潔にまとめましょう。[2]と[3]は、より具体的に書く必要があるので数十行ずつたっぷり書きましょう。
手を止めるな!自己申告書は誰でも絶対書ける!
なかなか書けない人は、たいてい「何を書くか」で止まります。

勉強も部活もそこそこ。今までの人生で、人に言えるようなスゴイことは無かったです。何を書けばいいですか??
全国優勝しました!みたいな実績があると書きやすそうですもんねー。でも結論から言うと、
日常のささいな出来事でも、余裕でOKです。たとえば、
リレーで足を引っ張らないように毎日練習した →苦手克服をアピール
小学校から本を週に5冊読んでいる →継続力アピール
てな感じで。
ささいなこと、日常のこと、ほんの一場面の出来事で構いません。
気を抜くな!自己申告書はここで差がつく!
具体的に書く
読んだ人が容易に想像できるように、共感してもらえるように書くことが非常に重要です。
いつ、どこで、どれぐらい、誰と、何を を意識するといいです。
それと数字を入れること。これでかなり具体性が増します。
丁寧に、濃く書く
合否が決まるかもしれない、人生をかけた書類です。丁寧に書くこと。
年配の先生が読むかもしれません。濃い字で書くこと。
空白は少なく
最後の2~3行が余るぐらいは構いません。
なんとか埋めようとして、極端に字を大きくしてしまうと、文字数稼ぎととられてしまいかねないので気を付けてね。
段落をつくる
作文の基本です。各段落で、書き始めは一文字分空けること。
小さいことですが、段落があると読みやすさが違います。
自己申告書を提出する前に最終確認
- 誤字脱字はないですか?
- 文構造に問題ないですか?
- アドミッションポリシーと関連していますか?
- 誰かに読んでもらいましたか?
おそらく下書きを中学校に提出することになると思うのですが、その前に塾の先生や親に添削してもらいましょう!
長くなりました…最後まで読んでくれてありがとうございます。
合格の一助となれれば嬉しいです!
それではこのへんで。グッドラック☆